結婚して三日が経つ。合意の無い結婚で有った。
「はぁ~? 酒飲まされて、即日、婚姻? 結婚?!?!?!?!」
 菜々緒が物凄い顔で、般若の顔の形相に成って居た。
「アホかッ彼奴等!!!!!!!!!! …で、どうするの? うちに来る?!?!?!」
「なんかね……物凄くシガラミ作って、私に接近して来たみたい……生まれながらの婚約者って……両家では合意だったみたい(´Д`)ハァ…」
「やるわね……もぅ、諦めて、御ねんねするのよ?」
「分かったわ……気の許し方、忘れてるだけだから……」
「そうね……御姉様、私もよ!!!!!!!!!!/ヒシッ(抱き)」
「ほら……もう良いだろ? 俺の寝所で多賀子は俺とセックスする……♡」
 金泰亨が現れた。泰亨は多賀子の肩に気配を殺し手を置いた。求める彼の指先を感じ、多賀子は深く溜息を吐いた。その機微に菜々緒は納得した。
「御馳走様♪ 邪魔したわね、金泰亨!!!!」
「二度と来るなッ」
「菜々緒、一応、嫁いで三日目だけど……顔見れて良かったわ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖° 大人しくセックスするわ……彼と❤」
 その覚悟に金泰亨の胸がバクバクし出した。
「本当にするのかよ……次元超えてだろ?」
「ふーん? 芝居も碌(ろく)に出来ないの? 一応、私の身体は――アンタの所作だけでも感じるのよ」
「出来ねーよ、エキシビジョンも無い遣り取り……嗚呼、疼く」
「(ΦωΦ)フフフ… まぁ良いわ。私の古巣に誰かが入って来たわ……嗚呼、気持ち良い」
「誰が入って来たんだぃ?」
 金正国が二人が居る喫茶店に現れた。
「あ~ん! 朴海鎮…あ……(*´Д`)ハァハァ ヤバいヤバい、理性理性!!!!!」
「彼奴等、こう言う理屈知ってるんだ……」
「私の肉体を熟知してるから……特性とか性質とか、ね! アンタたちは私の何を知ってるの?」
「乳首大きいとか……顔可愛いとか……」
 その本心に、多賀子は溜め息を零した。
「私の姿に夢中なのね❤ 嬉しいわ……ダーリン❤❤」
「性格も好きだよ……その……苦手だったけど……モジモジ」
「泰亨さん……❤」
 多賀子は泰亨の手を取り、胸に当てた。
「貴男(アナタ)の穢れた気、気持ちが良いわ……私の大好きな泰亨さん……」
 泰亨は緊張を解いた。
「俺……こんな告白受けたの初めてかも……♡」
「この手で私を翻弄してね❤」
「御姉様……穢れ凄いでしょ!!!!! 韓国人――(`・ω・´)シャキーン」
「邪気が凄い纏わり附いてる~~~~‥でも、好きな穢れだわ……まぁ何背負ってるか判らないけれど🎵」
 多賀子の言葉に泰亨は心底安堵した。
「ヌ~ナ~‥来て……」
 攫う様に多賀子の手をを泰亨は引いた。
「俺も~‥」
 正国も多賀子の手を取った。
 そして、三人は路上に止めて有った正国のベンツの後部座席に乗った。
「ヌーナ~しようね♡」
 正国は多賀子のTシャツをゆっくり捲り上げる。
「ヌーナー、こっち!!!!!」
 泰亨は多賀子の頭を自分の胸元に引き寄せる。
「ヌナ……思った寄り、小柄……身長何センチ?」
「159センチ……で、す」
 泰亨はドキドキした。
「凄い……理想!!!!!!!!! 俺より20センチも低いなんて……!!!!!!」
 多賀子をマジマジと見詰める泰亨が居た。
「髪の毛も薄くて、歯もボロボロで……その上、太ってて……89キロだなんて……おまけにバージンだなんて!!!!!!!!!!(無限大)」
「どんだけ理想か分かるかな…???」
 多賀子は正国の問い掛けに首を振った。
「想像を絶する美しさ♡」
 助手席に居た朴智旻が答えた。
「褒め殺されてるわね……」
「合わせてるだけ~‥彼奴等の美学に♪」
 多賀子は右手の指を鳥のようにパクパクさせて独り言を呟いた。
「想像を絶する格好良さよ、彼等――」
「想像を絶する格好良さ……私には無い美学だわ」
「感情が欲しい……理性だけでは成り立たないわよ」
「昔、読んだ同人誌を思い出すわ。感情で成り立っている作品。それは酷く美しかったわ。でも正直、美しいってだけで……萌えなかったわね!!!!! これはトキメキ!!!!!って思える物が無かったわ。ささやかな幸せ――萌え!!!!!!!!!! つまりは、彼等に萌えを見出せないわ……ささやかな幸せを」
 多賀子は時が止まった空間に居た。そっとそっと、閉じ込められそうに成った己が身体を、ベンツから脱出させた。
「(´Д`)ハァ… 現実的に考えると……私の家は沖縄で、此処は……ソウル!!!!!」
「どうするの???」
 菜々緒が後ろから現れた。
「折角、気を利かせたのに♪」
「私、自分にシガラミ与えたから……°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」
「作文???」
「そう! ウザ可愛い男に運命的に愛されないとイケないの☆」
「て、その……どうやって????」
「考えるワン♪ まだ未定♬ その辺、ウロウロして来るわ」
「ちょっと、姉さん待って! これ、帽子とサングラス、そして、靴よ……分かった? とにかく、愛嬌はたっぷり行くのよ……」
「??? 分かったわ?」
「じゃあ、私は行くから!! またね!?」
「またね~☆」
「多賀子~ヌナ……見付けた!!!!!」
 こうして具志堅多賀子はウザ可愛い男たちに捕まりましたとさ。